藻屑と消える

藻屑 私 も くず

窮屈

窮屈だ。

なにかに縛られている。身動きが取れない。なにか大きな力が自分を押さえつけている。

そんな風に常々感じている。
なにが自分をそれほどにまで窮屈だと感じさせているのか?
常識か。周りの目か。凝り固まった価値観か。先入観か。時間か。年齢か。思想か。

言うまでもなく、それらは全て元を辿れば、自分自身へと行き着く。
誰しもが、自分が不快だと思う、感じる物事で自分を縛る縄をせっせと編み上げているのだろう。
解放されたい。自由に生きたいよ。もっとこうしたい、もっとああしたい、もっと、もっと、もっと。全身で叫んでいる。何事もないような顔をしながら。ごく自然な微笑みを浮かべながら。さも貴方の気持ちにわたしも共感しますというような涙を浮かべながら。金切り声で派手に騒ぎながら。

このまま、一切は過ぎていく。きっと。
解放されたい解放されたい解放されたいと頭の中で連呼しながら 普通 の暮らしを淡々と続けていく。

いつまでも何事からも解放されることなどない。
だって、元から縛り付ける縄などないのだから。
全ての縄は空想に過ぎないのだから。